熱帯医学・渡航医学・感染症 のニュース&トピックス
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アメリカでのキャンピロバクター感染症の現状
キャンピロバクター

出典:ウィキメディア・コモンズ

キャンピロバクター腸炎はアメリカで最も頻度の高い食中毒の原因菌である。年間約130万人が罹患、約13000人が入院、119人が死亡している。キャンピロバクター腸炎のアメリカ国内での罹患状況についてデータベースから分析した研究が発表された。年齢別では0-4歳の小児の罹患率が高かった。場所の特徴としては、西部で頻度が多く、また田舎での罹患率が高かった。特にハワイ州での罹患率は高かった。白人に比べて黒人の感染率は低く、特に小児においてヒスパニック系住民の罹患率が高かった。海外旅行で感染した場合抗菌薬の耐性が高い特徴を認めた(シプロフロキサシン 旅行者60.2~67.5% 国内13.0~17.0%)。エリスロマイシンに関しても旅行者の方が高い頻度で耐性を示したが、耐性率は7%未満であった。

Clin Infect Dis. 2017 Oct 30;65(10):1624-1631.

##国内のデータを解析する際に、人種別での解析でかなり差がでていることが、生活、文化とのかかわりも考えられ、興味深いです。ヒスパニック系住民において小児の感染率が高いことが気になります。キャンピロバクターは家畜にキノロン系抗菌薬を使用すると耐性が増えることが分かっており、アメリカでは適正使用により良好な感受性を維持していることが印象的でした。国ごとで感染症の特徴や抗菌薬の感受性が分かると治療が楽になります。

梅毒:眼も要注意
  (梅毒性ぶどう膜炎)

アメリカニューカロライナ州において2014年~2015年の期間、梅毒の眼症状を呈した症例をまとめた研究が発表された。梅毒患者4232例中63例(1.5%)が梅毒性の眼疾患と診断された。約半数がHIVに感染していた。診断されたケースのうち24例(38%)は1-2期の梅毒であった。

Clin Infect Dis. 2017 Oct 30;65(10):1676-1682.

##梅毒の眼症状はぶどう膜炎が多く、約10%は失明するとの報告があります。梅毒に対する抗菌薬の治療とともに、ステロイド点眼を行うようです。日本でも梅毒は増加しつつあるという報告もあり、眼症状に対しても気を付けてみていきたいです。

https://www.niid.go.jp/niid/ja/syphilis-m/syphilis-iasrd/4497-pr4095.html

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